システムアーキテクト
アプリケーションの実装方式や、ソフトウェア開発そのものの開発方式などの高度な知識を問われる、システムアーキテクト資格試験について解説します。2009年春より、アプリケーションエンジニアからシステムアーキテクト資格として資格区分が変更されました。
試験概要(時間・問題数・合格率)
ソフトウェア開発に関する全般的な知識が問われます。範囲も広く、未経験領域からの出題にも解答できるように学習する必要があります。キーポイントは午後Tでしょう。アルゴリズム、データベースは基本情報技術者のそれよりも高度な出題があり、配点も高く、重点的に知識を身につけましょう。
時間 | 問題数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
午前 | 9:30〜11:10(100分) | 多肢選択式(四肢択一)55 問出題して 55 問解答(AN、PMと共通問題) | 7.8% |
午後T | 12:10〜13:40(90分) | 記述式4 問出題して 3 問解答 | |
午後U | 14:10〜16:10(120分) | 論述式(小論文)3 問出題して 1 問解答 |
推奨する人材像
- 要求分析、業務設計、システム設計を担当する方
- システムアーキテクト、ITコンサルタント
- ハードウェアからソフトウェア、ネットワーク、データベースの幅広い知識を持っている方
資格評価・難易度
専門性 | ![]() | 70点 |
---|---|---|
領域 | ![]() | 50点 |
実務依存 | ![]() | 80点 |
難易度 | ![]() | 80点 |
システムアーキテクト試験は、午後Tの事例解析、午後Uの小論文の出来が合格の明暗を分けます。これはプロジェクトマネージャ試験やシステムアナリスト試験においても言えることです。また、プロジェクトマネージャ試験やシステムアナリスト試験よりは難易度が低いと思われますが、そもそも問題の内容が異なるため、厳密な比較はできないでしょう。 難易度は高く、業務経験によって身に付けた知識を存分に発揮できる方には有利な試験でしょう。ITアーキテクトとして活躍したい方には、是非取得を目指してほしい資格試験です。 ソフトウェア開発技術者では技術的な解法を問われますが、システムアーキテクトではより広い視点からの問題解決を求められます。一つのソフトウェアを開発するだけでも、複数の開発手法、実装方式があります。その中で最適な方式を論理的に説明できるような、ソフトウェア開発の本質を求められる試験です。
就職・転職・キャリアアップ
システムアーキテクト資格を取得することにより、システム構築やソフトウェア開発における上流設計の高度な知識を習得していることを証明できます。ソフトウェア開発技術者よりも評価は非常に高い資格試験です。 プログラマのための資格ならばソフトウェア開発技術者ですが、業務設計や開発方式の決定を担当するエンジニアにとっては、まさにシステムアーキテクト資格のほうが適しているでしょう。 就職や転職、キャリアアップにおいても非常に有用性の高い資格です。現在のIT業界では、プログラムなどの製造はオフショア化が進んでおり、顧客とのシステム設計を担当する上流設計者のニーズは非常に高くなっています。 プログラマとして長く活躍したい方には不要な資格ですが、真の意味でのシステムエンジニアや上流設計者を目指す方、担当する方には是非取得していただきたい、非常に価値のある資格です。
初受験対策
IT関連に全く関連のない方は、まずは基本情報技術者、ソフトウェア開発技術者の資格から取得されることをおすすめします。もしくは、テキストを熟読して午前試験をパーフェクトに解答できるくらいの知識を身につけることが、最低ラインと思われます。 システムアーキテクト試験では、主に実業務に基づいた出題がなされます。技術的な解法ではなく、業務要件から適切な解決を求められる試験です。したがって、テキストによる基礎知識を習得し、多面的に問題を解決するための考え方と、文章作成の訓練が重要になります。
午前試験対策
午前試験では、過去のシステムアーキテクト試験に出題された問題を解くことが、午前試験突破への近道となります。午前試験で脚きりされないように、確実に知識を身につけておきましょう。 問題のレベルは、午後試験と比べると簡単なものが多いと思われます。また、午後試験でも役に立つような知識を問われますので、午前試験を軽視せずに学習することが重要です。
午後T試験対策
午後Tは、事例解析の出題が中心となります。ソフトウェア開発における問題に対して、最適な解を求められます。ソフトウェア開発技術者と違って、複数の答えの候補が考えられるのですが、業務要件を正確に読み取った上での最適解を導き出せるようにしましょう。 基本情報技術者やソフトウェア開発技術者と違い、アルゴリズムなどに関連した擬似言語問題は出題されません。 また、データベースやネットワークに関する高度な知識を求められる試験ではなく、業務要件に即したシステムをどのように構築するか、ソフトウェアをどのように開発するかを問われる問題が中心になります。 上流設計の知識が問われますので、上流設計を担当する方には有利な試験ですが、製造やテストをメインに担当する方でも、十分に合格を狙える試験ですので、幅広い視点で問題を見つめるような訓練をしておきましょう。
午後U試験対策
午後U試験では、小論文による出題で3題を選択し解答する必要があります。また、出題形式は一貫して同じです。 ・あなたが携わったシステムにおいて、〜〜を踏まえた対象業務の特徴とシステムの概要説明。 ・そのシステムで、〜〜を想定し、どのように設計したか。重要と考え、工夫した点。 ・そのシステムの設計内容を、どのように評価しているか。今後の改善点は何か。 上記のような3つの観点から、大問3題を小論文形式で解答することが求められます。したがって、自身が経験したシステム構築、ソフトウェア開発の事例を事前に整理しておくことが非常に重要です。文章を試験で初めて考えるのではなく、試験前に幾つかの事例を踏まえた論文をある程度覚えておき、出題内容に即した形に成型して解答できることが望ましいです。