ITストラテジスト
顧客企業の業務コンサルティングを担当し、企業の経営戦略の分析手法を求められるITストラテジスト試験について解説します。
試験概要(時間・問題数・合格率)
企業が抱える業務内容や経営戦略における問題が、事例解析と小論文の形式で出題されます。情報処理試験の中でも最上流の領域における知識が問われます。
時間 | 問題数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
午前 | 9:30〜11:10(100分) | 多肢選択式(四肢択一)55 問出題して 55 問解答(AN、PMと共通問題) | 8.5% |
午後T | 12:10〜13:40(90分) | 記述式4 問出題して 3 問解答 | |
午後U | 14:10〜16:10(120分) | 論述式(小論文)3 問出題して 1 問解答 |
推奨する人材像
- 要求分析、業務設計を担当される方
- コンサルタント、ITの営業、アーキテクト
- 顧客企業との経営戦略や業務プロセスに関する問題解決、折衝を担当される方
資格評価・難易度
専門性 | ![]() | 80点 |
---|---|---|
領域 | ![]() | 60点 |
実務依存 | ![]() | 80点 |
難易度 | ![]() | 90点 |
ITストラテジスト試験は、午後Tの事例解析、午後Uの小論文の出来が合格の明暗を分けます。これはプロジェクトマネージャ試験やアプリケーションエンジニア試験においても言えることです。また、プロジェクトマネージャ試験やアプリケーションエンジニア試験よりも難易度が若干高く、情報処理試験の中でも最高峰に位置する資格試験です。 主に業務プロセスや経営戦略におけるノウハウ、知識を必要とされる試験です。コンサルタントとして活躍される方には、是非とも取得していただきたい資格試験です。 他の情報処理試験では、技術的な解法を求められますが、ITストラテジスト試験では、顧客企業にとってのベストな解を求められます。したがって、ソフトウェア開発だけの経験や知識だけではなく、顧客企業のビジネスモデルにおける問題解決の経験が必要とされます。
就職・転職・キャリアアップ
ITストラテジスト資格を取得することにより、システム構築の前提となる業務要件のコンサルティング知識や、上流設計の高度な知識を習得していることを証明できます。情報処理試験の中でも非常に高度で、需要の高い資格試験です。 プログラミングやデータベース、ネットワークなどのコア技術知識を求められるわけではないですが、顧客企業の経営を左右する意思決定に関わる高度な知識を求められる試験です。 就職や転職、キャリアアップにおいても非常に有用性の高い資格です。特にコンサルティングファームや、シンクタンクでの活躍を考えている方には、かなりの効果を発揮するでしょう。 キャリアアップに関しても、プロジェクトマネージャ資格と同様に高い評価を得られるでしょう。二次請けの企業ではなく、ファーストプライムとなる企業にとって特に重宝される資格です。ITストラテジスト資格取得者がプロジェクトメンバーに含まれていることを条件とする案件もかなりあります。
初受験対策
IT関連に全く関連のない方は、まずは基本情報技術者、ソフトウェア開発技術者の資格から取得されることをおすすめします。もしくは、テキストを熟読して午前試験をパーフェクトに解答できるくらいの知識を身につけることが、最低ラインと思われます。 ITストラテジスト試験では、主に実業務に基づいた出題がなされます。技術的な解法ではなく、業務要件から適切な解決を求められる試験です。したがって、テキストによる基礎知識を習得し、多面的に問題を解決するための考え方と、文章作成の訓練が重要になります。
午前試験対策
午前試験では、過去のITストラテジスト試験に出題された問題を解くことが、午前試験突破への近道となります。午前試験で脚きりされないように、確実に知識を身につけておきましょう。 問題のレベルは、午後試験と比べると簡単なものが多いと思われます。また、午後試験でも役に立つような知識を問われますので、午前試験を軽視せずに学習することが重要です。
午後T試験対策
午後Tは、事例解析の出題が中心となります。企業が経営戦略や業務プロセスにおける問題に対して、最適な解を求められます。基本情報技術者試験やソフトウェア開発技術者試験と違って、複数の答えの候補が考えられるのですが、業務要件を正確に読み取った上での最適解を導き出せるようにしましょう。 基本情報技術者やソフトウェア開発技術者と違い、アルゴリズムなどに関連した擬似言語問題は出題されません。さらに、データベースやネットワーク、セキュリティなどのコア技術に関する出題もありません。 上流設計の知識が問われますので、上流設計を担当する方には有利な試験です。顧客企業の業務プロセスの改善活動や、業務コンサルティングを担当されている方には、試験問題の内容と業務内容がマッチしており、解答しやすいでしょう。幅広い視点で問題を見つめるような訓練をしておきましょう。
午後U試験対策
午後U試験では、小論文による出題で3題を選択し解答する必要があります。また、出題形式は一貫して同じです。 ・あなたが検討に携わったシステムアーキテクチャの現状と課題、システム化全体計画の概要説明。 ・そのシステム化計画の基本方針と、どのような観点で総合的に判断したかの説明。 ・そのシステムアーキテクチャを、どのように評価しているか。今後の改善点は何か。 上記のような3つの観点から、大問3題を小論文形式で解答することが求められます。したがって、自身が経験したシステム化計画や、業務プロセスにおける改善判断、問題解決の事例を事前に整理しておくことが非常に重要です。文章を試験で初めて考えるのではなく、試験前に幾つかの事例を踏まえた論文をある程度覚えておき、出題内容に即した形に成型して解答できることが望ましいです。