応用情報技術者資格
ソフトウェア開発を担当する方には情報処理技術者試験の次に迎える難関試験である、応用情報技術者資格試験について解説します。2009年春より、ソフトウェア開発技術者試験から応用情報技術者資格として資格区分が変更されます。
試験概要(時間・問題数・合格率)
ソフトウェア開発に関する全般的な知識が問われます。範囲も広く、未経験領域からの出題にも解答できるように学習する必要があります。キーポイントは午後Tでしょう。アルゴリズム、データベースは基本情報技術者のそれよりも高度な出題があり、配点も高く、重点的に知識を身につけましょう。
時間 | 問題数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
午前 | 9:30〜12:00(150分) | 多肢選択式(四肢択一)80 問出題して 80 問解答 | 14.6% |
午後T | 13:00〜15:00(120分) | 記述式6 問出題して 6 問解答 | |
午後U | 15:30〜16:30(60分) | 記述式1 問出題して 1 問解答 |
推奨する人材像
- プログラムやデータベースを使ったソフトウェア開発を担当するエンジニア
- IT系企業の入社3〜6年目の社会人
- 情報工学系の大学院生、専門学校生
資格評価・難易度
専門性 | ![]() | 50点 |
---|---|---|
領域 | ![]() | 70点 |
実務依存 | ![]() | 50点 |
難易度 | ![]() | 60点 |
午前、午後T、午後Uとかなりの長期戦を強いられる試験であり、基本情報技術者よりも1段階高度な知識を要求されます。したがって、基本情報秘術者並みの知識では、合格は厳しいでしょう。また、プログラム言語による出題はありません。一方で、擬似言語(アルゴリズム)の出題は必ずあり、文章読解力とデバッグ能力、解答速度が求められます。午後Tではネットワークや情報セキュリティの分野からも出題されますが、基本的な知識があれば十分解答可能と考えられます。苦手とする方も多いように思いますが、比較的得点しやすい問題が多いように思います。決して諦めずに知識を補強しましょう。
就職・転職・キャリアアップ
応用情報技術者資格を取得することにより、ソフトウェア開発に必要な水準の知識を習得していることの証明になります。したがって、設計から実装、テストにおける知識や、一定のパフォーマンスで業務を遂行できることが期待できます。 入社1〜5年目程の社会人が取得していれば、転職に非常に有利に働くことでしょう。実業務においての努力や知識習得への姿勢も考慮されるからです。 また経験年数に関わらず、ソフトウェア開発を専門とした企業に対しては大きなアピールポイントとなりえます。 キャリアアップに関しては、応用情報技術者資格を取得することで一定のITスキルの水準を満たしたことが証明できます。企業としても応用情報技術者資格の資格保持者数は、顧客企業へのアピールポイントとなります。したがって、プログラマやシステムエンジニアにとっては非常に有意性の高い資格だと言えます。
初受験対策
IT関連に全く関連のない方は、まずは基本情報技術者からの受験をオススメします。応用情報技術者資格試験は、IT初心者が初受験で合格できるほどのレベルではありません。基本情報技術者試験で基礎知識を固めてから、次のステップアップとして応用情報技術者資格試験に挑戦することが現実的であると考えます。 IT関連の業務に携わっている方や、基本情報技術者の資格保持者であれば、応用情報技術者資格に出題される内容を整理するためにも、まずは全般的な内容を網羅した参考書から着手しましょう。
午前試験対策
午前試験では、基本情報技術者と同様に過去に出題された問題が多く出題されます。コンピュータの仕組みと演算方法、ソフトウェア開発の手法、システムの方式などが重点的に出題されます。出題範囲が広く、基礎知識を要求される出題が多いことが特徴です。 最新技術の動向よりも、まずは過去3年分の問題を全て解き、同様の問題が出題された場合に確実に解答できるように準備しましょう。応用情報技術者資格試験でも基本知識が最も重要です。とにかく反復して学習し、苦手分野を克服しておくことが大切です。 より確実に得点したい方は、基本情報技術者試験、テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験、アプリケーションエンジニア試験の過去の問題を解いておきましょう。
午後T試験対策
午後Tは、出題内容と出題数から、スピーディに解答していくことが求められます。解けそうにない問題に執着しないように注意する必要があります。また、選択式ではなく全てに解答する必要があるため、逃げ道がないところも特徴です。 応用情報技術者資格では、プログラム言語による出題がありません。しかしながら、擬似言語による出題が必ずあり、内容もレベルの高いものとなっています。普段の業務で書くプログラムコードではあまりお目にかかれないようなアルゴリズムであったり、様々なソートに関する出題が多いです。問題文をよく読むと解答できる問題もけっこうありますので、まずは読解力とデバッグ力を身につけましょう。 データベースに関しては、データベースの正規化、外部参照制約を踏まえた仕様変更対応、データベースの運用、SQLに関する出題が多いようです。SQLは基本的な知識があれば解答できるでしょう。また、ER図や表定義の穴埋め問題も、問題文を注意深く読めば確実に解答できます。一方で、データベースの運用や仕様変更対応に関する問題は、なかなか基礎知識で解答できないかもしれません。実業務でデータベースの構築・運用を担当されている方にとっては、データベースの出題は有利であると思われます。 その他に、システムの運用、ネットワーク技術に関する出題もありますが、難易度はそれほど高くありません。基本情報技術者と同様に、基礎的な知識をしっかりと身に付け、解答できるようにしましょう。
午後U試験対策
午後U試験では、アルゴリズム(擬似言語)とデータベースのどちらかから出題されます。過去の試験では、試験の回ごとに交互に出題されてきましたが、予測せずに両方に対応できるように準備しましょう。 試験対策は、午前Tのアルゴリズムとデータベースの対策をしておけば十分だと考えます。アルゴリズムやデータベースに特化した試験になりますが、問題のレベルは午後Tと同等です。 試験時間が問題量に比べて短いので、午後U試験もスピーディに解答することが求められます。しかしながら、午後T試験のように様々な事例から出題されるわけではなく、一つに事例に対して出題されるので、比較的解答しやすいと思われます。 なお、記述形式の設問もありますので、簡潔な文章を記述できるように訓練しましょう。冗長な文章や表現ではなく、分かりやすく簡潔に記述することが重要です。